怠業たいぎょう)” の例文
煽動せんどうし、怠業たいぎょうの仲間にひき入れ、故意に予定を支障させて、表には出し得ない卑屈な反抗を、当事者の狼狽と、秀吉軍の敗北という結果に見て
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それに市電従業員怠業たいぎょうのことが出ていたので、ストライキの話になったのだった。
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼奴は怠業たいぎょうしているんだ。よし、決心したぞ。科学技術界を軍隊化するのだ。生産界も軍隊化だ。みんな軍隊化だ。仕事は命令だ。それに反する者、命令どおりに仕事をあげない者は銃殺だ。
諜報中継局 (新字新仮名) / 海野十三(著)
世の言葉にすら五日目の風、十日目の雨、めぐり来ればその月日には変化のさばきが振り向いて来るのが順当、巡って来なかったらおてんとさまが暫時ざんじ怠業たいぎょうしてるのだと思えと言っております。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
掌暗号長が兵たちに、ソ連参戦のことを外に洩らすなと訓示くんじしているのを私は聞いたが、それにもかかわらず何時の間にか拡がっているらしかった。怠業たいぎょうの気分が、部隊一般にかすかにただよっていた。
桜島 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)