忠義ただよし)” の例文
……さきごろ所司代酒井若狭守わかさのかみ忠義ただよし)どのが参内いたし、おすべりとやら申上げまする、主上御箸つきの御膳部を賜わり、異例の光栄に恐懼きょうくして頂戴仕りましたところ
日本婦道記:尾花川 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
わたしは千葉の者であるが、馬琴ばきんの八犬伝でおなじみの里見の家は、義実よしざね、義なり、義みち実尭さねたか、義とよ、義たか、義ひろ、義より、義やすの九代を伝えて、十代目の忠義ただよしでほろびたのである。
青蛙堂鬼談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小河平兵衛おかわへいべえは予定のとおりその翌日加賀を出発して土佐へ往った。土佐では山内家の二代忠義ただよし一豊かずとよあとを継いで、土佐藩の藩主となっていた。深尾主人は平兵衛を家の珍客として歓待した。
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)