心中物しんじゅうもの)” の例文
蕪村ぶそん春風馬堤曲しゅんぷうばていきょくの種類ですか」「いいえ」「それじゃ、どんなものをやったんです」「せんだっては近松の心中物しんじゅうものをやりました」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
といっている。近松の心中物しんじゅうものを見ても分るではないか。傾城けいせいの誠が金でつらを張る圧制な大尽だいじんに解釈されようはずはない。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「野崎村」をもって代表せしめ得べき一列の心中物しんじゅうもの、「岡崎」をもって代表せしめ得べき一列の敵討かたきうち物、その他武士階級に対する平民階級の反抗心を主題とする喧嘩物
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
いはんやほかの芸事とはちがひ心中物しんじゅうものばかりの薗八節そのはちぶしけいこ致させほれねばならぬ殿ぶりに宵の口説くぜつをあしたまで持越し髪のつやぬけてなど申すところはとりわけじょうをもたせて語るやう日頃註文ちゅうもん致を
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)