御輿おんこし)” の例文
そこで主上におかせられては、侍臣花山院師賢もろかた卿へ、兗竜こんりゅう御衣ぎょいをお着せになり、御輿おんこしに乗らせて比叡山へつかわし
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
西八條より還御せられたる中宮の御輿おんこし、今しも宮門を入りしを見、と本意なげに跡見送りて門前に佇立たゝずみける。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
昆陽こやを出でさせ給ひて、武庫川むこがわ神崎かんざき難波なにはなど過ぎさせ給ふとて、御心のうちにおぼす筋あるべし。広田の宮のあたりにても、御輿おんこしとどめて、拝み奉らせ給ふ。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金色こんじき大鳳おおとりが屋根によくをひろげている鸞輿らんよともよぶあの御輿おんこしである。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)