御萩おはぎ)” の例文
久々で国にいるから祝の御萩おはぎを食いに帰れとの事であった。今日は天気もよし、二、三日前のようにいやな風もない。船も丁度あると来たので帰る事と定める。
高知がえり (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
御母さんは驚いているよ。御彼岸おひがん御萩おはぎを持たせてやっても、返事も寄こさなければ、重箱を
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「あなたもずいぶんね、その御萩おはぎ昨日きのううちから持たせて上げたんじゃありませんか」
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
菓子がいやになるって、御彼岸おひがん御萩おはぎなどをこしらえているところをうちで見ていても分るじゃありませんか、拵えるものは、ただ御萩を御重おじゅうに詰めるだけで、もうげんなりした顔をしているくらいだから。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)