御繁昌ごはんじょう)” の例文
御繁昌ごはんじょうと申したいでありますが、当節は余りござりません。以前は、荘厳美麗そうごんびれい結構なものでありましたそうで。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いえもいよ/\御繁昌ごはんじょうでございましたが、つればくる世のならい、奥様には不図ふとした事が元となり、ついに帰らぬ旅路におもむかれましたところ、此の奥様のおつきの人に
「お店の方も、追い追い御繁昌ごはんじょうで、誠に結構でござります。」母親は話を変えた。
新世帯 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
集めて遊ばせて下さるゥ……(如何どうも声が出ないものですから、エヘン、エヘン——ウーイ、ウーイ、ウーイ)……御親切な福富さんの(ウーイ、ウーイ)ます/\御繁昌ごはんじょうで(ウーイ、ウーイ)おもての方から千両箱
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
御繁昌ごはんじょう旦那だんなから、一杯おみきを遣わされ、と咽喉のどをごくごくさして、口を開けるで、さあ、飲まっせえ、とぎにかかる、と幾干いくらか差引くか、と念を推したげで、のう、ここらはたしかでござりました。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これは、おかみさま、御繁昌ごはんじょう。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)