御櫃おひつ)” の例文
故のペンが無言のぎょうをさせられた口惜しまぎれに折を見て元利共取返そうという勢でくるからたまらない。一週間無理に断食をした先生が八日目に御櫃おひつを抱えて奮戦するのママがある。
漱石氏と私 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
もとのペンが無言の業をさせられた口惜しまぎれに折を見て元利共取返そうと云う勢でくるからたまらない。一週間無理に断食をした先生が八日目に御櫃おひつを抱えて奮戦するの慨がある。
倫敦消息 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
夏にでも成ると、土藏の廂間ひあはひから涼しい風の來るところへ御櫃おひつを持出して、その上から竹のすだれを掛けて置いても、まだそれでも暑さに蒸されて御櫃の臭氣にほひが御飯に移ることがあります。