“御成(おなん)” の例文
「貴方はちっとも紅く御成(おなん)なさらない。紅くならないで蒼(あお)くなるのは、御酒が強いんだって言いますよ。——貴方はきっと御強いんだ」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
『でせう。大変に快(よ)く御成(おなん)なすつたでせう。ですから猶々(なほ/\)大切にして下さいと言ふんです。折角(せつかく)快く成りかけて、復(ま)た逆返(ぶりかへ)しでもしたら——』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
『丁度、行違ひに御成(おなん)なすつたんでせう。』とお志保は少許(すこし)顔を紅(あか)くして、『まあ御上りなすつて下さいませんか、此様(こん)な見苦しい処で御座(ござい)ますけれど。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「あゝ是(これ)は私に子が無いからだ。若し子供でも有つたら一層(もつと)和尚さんも真面目な気分に御成(おなん)なさるだらう。寧(いつ)そ其女の児を引取つて自分の子にして育てようかしら。」
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「ホホホホホ、それじゃ何に御成(おなん)なされば好と言うの」
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「種ちゃんも大きく御成(おなん)なさいましたねえ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)