御師匠おししょう)” の例文
その帰りがけ長吉に残した最後の言葉はその母親の「御師匠おししょうさんのおばさん」にもよろしくいってくれという事であった。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「やあおめでとう、大層立派に御化粧が出来ましたね」「ええ去年の暮御師匠おししょうさんに買って頂いたの、いでしょう」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かつ我子わがこを育てんという気のはりあればおのずから弟子にも親切あつく良い御師匠おししょう様と世に用いられてここ生計くらしの糸道も明き細いながら炊煙けむりたえせず安らかに日は送れど
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
同種同文、しかして御師匠おししょうさんまで同一であるから、日本に依って支那を開発させるのは至当である。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
「まアお珍しいじゃありませんか。ちょいと今戸いまど御師匠おししょうさんですよ。」とけたままの格子戸からうちなかへと知らせる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「一体あなたのとこの御主人は何ですか」「あら御主人だって、妙なのね。御師匠おししょうさんだわ。二絃琴にげんきんの御師匠さんよ」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)