御寐おやすみ)” の例文
「あれ、未だお酔ひに成つては可けません。お横に成ると御寐おやすみに成るから、お起きなすつてゐらつしやいまし。さあ、貴方」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
八時を打っても、未だ奥様は御寐おやすみです。旦那様は炉辺で汁の香を嗅いで、憶出おもいだしたように少許すこし萎れておいでなさいました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それでは、お見舞に、と奥に入ろうとする縁側で、女中おんなが、唯今すやすやと御寐おやすみになっていらっしゃいます、と云う。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)