御不浄ごふじょう)” の例文
旧字:御不淨
「あの晩、気分が悪いからと御両親を呼寄せ、御不浄ごふじょうへ行くと言って、お父様の手筐てばこから鍵の束を取出し、それを誰に渡したんです」
「はい。……時刻は、はっきりとは判りませんが、真夜中に、御不浄ごふじょうへまいりました時、廊下を足音を忍ばせて、通った者がございます」
朝のに、御不浄ごふじょうの窓から覗くと、襟の後に手拭を畳んであててはいるが、別段たぼの油が着物の襟を汚すことはなさそうなほど、丸くした背中まで抜き衣紋えもんにして、背中の弘法こうぼうさまのおきゅうあとや
「ねえ、このお部屋に、御不浄ごふじょうはないのですか?」
振動魔 (新字新仮名) / 海野十三(著)