律師りっし)” の例文
源氏の母君の桐壺きりつぼ御息所みやすどころの兄君の律師りっしがいる寺へ行って、経を読んだり、仏勤めもしようとして、二、三日こもっているうちに身にしむことが多かった。
源氏物語:10 榊 (新字新仮名) / 紫式部(著)
また、従軍僧のうちの二位ノ僧都専親は二位ノ尼の養子、律師りっし仲快は教盛の子、阿闍梨祐円あじゃりゆうえんは経盛の弟——といったふうに、これもみな血縁の人々だった。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後に彼を律師りっしとした。以来、清盛のことを慈慧僧正の生れ変りだという説が流布るふされたのである。
と、となえあい、中腹の岩壁像のまえでは、山の律師りっし成就坊じょうじゅぼうたちが、盛大な戦勝祈願をりおこなった。そして式には、天皇以下も列せられて、その場から、万里小路藤房へ
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この宮——ただしくいえば大塔ノ宮二品親王にほんしんのうは——かくてその随身、光林坊玄尊、赤松あかまつ律師りっし則祐そくゆう木寺きでら相模さがみ、岡本ノ三河坊、村上彦四郎、片岡八郎、平賀三郎、矢田彦七らと共に
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)