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彼方是方
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あちこち
ふりがな文庫
“
彼方是方
(
あちこち
)” の例文
と岸本が言ったので節子は
彼方是方
(
あちこち
)
と
蕾
(
つぼみ
)
を探したが、彼女の取ろうとするのはいずれも彼女の手の届かないところにあった。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
お雪は白い
寝衣
(
ねまき
)
のままで、冷々とした夜気に打たれながら、
彼方是方
(
あちこち
)
と歩いていたが、夫の声を聞きつけて引返して来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼方是方
(
あちこち
)
とお種は転々して歩いた。森彦の宿に二週間ばかり置いて貰って、寺島の母が国へ帰った頃に、
漸
(
ようや
)
く嫁の方へ一緒に成ることが出来た。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度夕飯時で、見物は
彼方是方
(
あちこち
)
へ散じたが、御輿の勢は
反
(
かえ
)
って
烈
(
はげ
)
しく成った。それが大きな商家の前などを担がれて通る時は、見る人の手に汗を握らせた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
近所の「叔父さん」達が総掛りで何故庭の内を
馳
(
か
)
け廻るか、
彼方是方
(
あちこち
)
から飛んで来た犬が何故
吠
(
ほ
)
え立てるか、それを知らせに来るほどお菊も物が解って来た。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
三吉は本箱の前を
彼方是方
(
あちこち
)
と見て廻った。その時、彼は未だ自分の生れた家の焼けない前に一度帰省して
阿爺
(
おやじ
)
の蔵書を見たことを思出して、それをこの家のに比べてみた。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
主人は大人らしい威厳を帯びた容子で捨吉の立っている側を
彼方是方
(
あちこち
)
と歩いた。どうかすると向うの花畠の隅まで歩いて行って、そこから
母屋
(
おもや
)
の方を振返って見て、復た捨吉の方へ戻って来た。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
執事が赤い小形の讃美歌集を
彼方是方
(
あちこち
)
と配って歩いた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
彼
常用漢字
中学
部首:⼻
8画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
是
常用漢字
中学
部首:⽇
9画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“彼方”で始まる語句
彼方
彼方此方
彼方側
彼方向
彼方岸
彼方様
彼方詰
彼方此處