役行者えんのぎょうじゃ)” の例文
本邦の釈道照は新羅しらぎに入って役行者えんのぎょうじゃ化身と語ったなど、虎が人となって予言し、術者が虎に化けて人と談じた物語少なからず。
中にも聖徳太子及び役行者えんのぎょうじゃは、諸国の高山で最初の登山者として伝えられているが、これは後世から附会された説に過ぎないものと思われる。
山の今昔 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
安生寺縁起によると、同寺の国生明神は地主神で、これが為に役行者えんのぎょうじゃが鬼面を作って国生の祭を始めたとあって、ここの所謂鬼筋はその地主神の子孫であるらしい。
奈良県吉野郡よしのぐん掖上村わきかみむら茅原かやはら茅原寺ちげんじと云う真宗の寺院があった。其の寺院は一名吉祥草院きっしょうそういん。其処に役行者えんのぎょうじゃ自作の像があって、国宝に指定せられているが、其の寺院に名音みょうおんと云う老尼がいた。
法華僧の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
草莽そうもうかんに埋められようとしている(あたかも富士山の役行者えんのぎょうじゃの名が、今日忘られかけて、日本アルプスの先達、ガウランドだの、ウェストンだのという名が、若い人たちの口の端に上るようになった如くに)
火と氷のシャスタ山 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
マレー半島その他虎の産地には大抵この俗信が存する、わが邦にも道照どうしょう入唐して役行者えんのぎょうじゃが化けた虎を見たと伝う