弾薬盒だんやくごう)” の例文
銃も、背嚢も、実弾の這入っている弾薬盒だんやくごうも浦潮まで持って行くだけであとは必要がなくなるのだ。とうとう本当にいのちを拾ったのだ。
氷河 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
ジャン・ヴァルジャンは弾丸をこめた銃と弾薬のいっぱいはいった弾薬盒だんやくごうとを携えていた。彼は市場町の方へ進んでいった。
居酒屋の中からびんを入れるかごを取り、防寨ぼうさいの切れ目から外に出て、角面堡かくめんほうすそで殺された国民兵らの弾薬盒だんやくごうから、中にいっぱいつまってる弾薬を取っては
嘲弄ちょうろう霰弾さんだんに応戦し、しかもその間に弾薬を略奪し、弾薬盒だんやくごうからにしては自分のかごを満たしていた。
一つの弾薬盒だんやくごうが空になり、ひとりの戦士がたおれても、もはやそれを補充すべき道はない。
そのもやの中には広漠こうばくたるうねりがあり、まばゆきばかりの幻影があり、今日ほとんど知られない当時の軍需品があって、炎のような真紅しんくの毛帽、揺らめいている提嚢ていのう、十字の負い皮、擲弾用てきだんよう弾薬盒だんやくごう
剣の𣠽つかに手をかけて目を配っていた。ルイ十五世広場には、馬にまたがりラッパを先頭にした四個中隊の重騎兵が、弾薬盒だんやくごうをふくらし小銃や短銃に弾丸をこめ、今にも出動せんとしてるのが見られた。
「Q、バヌレル、小銃八、弾薬八十三、確実なる男。——C、ブービエール、ピストル一、弾薬四十。——D、ロレ、竹刀一、ピストル一、火薬一斤。——E、テーシエ、剣一、弾薬盒だんやくごう一、正確なる男。——テルール、小銃八、勇敢なる男。」