引縛ひっくく)” の例文
「四ツ本、藩の名では後日が煩い。浪人を、十人余り集めて、網を張り、引っかかったら、引縛ひっくくるか、斬るか——のう平」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
それから一時間も過ぎたのちに、重太郎が帰って来た、山𤢖も帰って来た。彼等は山蔦やまづた引縛ひっくくった角川安行を抱えていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
すぐわきの茶店へ放火する、家を焼いて、村のものを驚かす事、第二。第三は飛込んで引縛ひっくくられて小便を、これだけはどうも不可いけない……どいつも私に二嵩ふたかさぐらい、村角力むらずもうらしいのも交って、六人居ます。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)