弓之衆ゆみのしゅう)” の例文
弓之衆ゆみのしゅう浅野又右衛門長勝あさのまたえもんながかつなのである。小者小屋に勤めていた頃から、世話になった人なので、格別、礼をあつうして、いんぎんに辞儀をした。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
弓之衆ゆみのしゅうばかりが住んでいるこのお長屋も、きょう彼が見て来た自分の屋敷と、似たり寄ったりの、小さな貧しい家だった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
町の雑魚女ざこめや足軽の娘程度なら知らぬことである。弓之衆ゆみのしゅうの浅野又右衛門の家庭は、典型的な武家の家だし、あの息女には、ひと通りな教養もある。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
浅野又右衛門の弓隊は、そこの本陣からやや離れた山陰やまかげの腹にかたまっていた。弓之衆ゆみのしゅうの一隊ではあるが、今日の合戦に、矢交やまぜの戦いなどはないと見越して、みな槍を持っていた。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「申し分はないが、何せい、こちらは弓之衆ゆみのしゅうの長屋住い、身分がちがいすぎる」
日本名婦伝:太閤夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
やぶ蚊の多い弓之衆ゆみのしゅうの組長屋で、一組の聟とり祝言しゅうげんがあった。
日本名婦伝:太閤夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)