廖化りょうか)” の例文
すでに、廖化りょうかの剣は、彼のうしろに迫っていた。司馬懿は目の前にある喬木きょうぼくの根をめぐって逃げた。それは十抱とかかえもある大木だった。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それがしはもと襄陽じょうようの生れ、廖化りょうかと称し、あざな元倹げんけんという者です。決して将軍に害意をふくむ者ではありませんから、ご安心ください」
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
前から関興、廖化りょうか呉班ごはん呉懿ごい、裏からは馬岱ばたい、王平、馬忠、張翼などが、早鼓はやづつみを打って、火とともに攻め立てて来たのである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
先陣は廖化りょうか。その副将には関平かんぺい。——参謀として馬良、伊籍いせき。——留守の大将には誰々をと、その場で、各隊の部将や所属も任命された。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関羽を輔佐する者としては文官に、伊籍いせき糜竺びじく向朗こうろう、馬良などをとどめ、武将には、関平、周倉、廖化りょうか糜芳びほうなどをあとに残して行った。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また関興、呉懿ごい、呉班、廖化りょうかなども招いて、それぞれ密計をふくませ、後、彼自身もまた大軍をひきいて堂々前進した。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さらに、その日のひる過ぎには関羽の幕下廖化りょうかが、まるで乞食のような姿をして、はるか麦城からこれへたどりついた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
廖化りょうかの守っていた線も、この怒濤をさえぎり切れず、いちどに崩壊してしまった。いやいや、そこはまだしも、四冢の陣からも、炎々たる火焔が夜空をき始めた。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関羽は合戦の様子を聞いて、次にはかならず関平が負けると思ったらしく、にわかに、その翌朝、部下の廖化りょうかに城攻めの方をあずけ、自分は、関平の陣へ来てしまった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もう最後である。顧みるに、この大敗を招いたのは、一に関羽の才が足らなかったというしかない。廖化りょうかも途中で討たれたかどうしたか、所詮、援軍を待つ望みも絶えた」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わらわたちは、女子のこと、将軍の胸ひとつで……」と、甘夫人はいったが、しかしここへ来るまでの間、たとえば東嶺の廖化りょうかなどでも、山賊を従えては故主のお名にかかわろう——と
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ごもっともです——」と、廖化りょうかは、山賊という名に卑下ひげして
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)