庭苑ていえん)” の例文
まして大宮浅間の噴泉の美は、何とであろう、磨きあげた大理石の楼閣台榭ろうかくだいしゃも、その庭苑ていえんに噴泉がなかったら、とみ寂寞せきばくを感ずるであろう。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
すると、泉石せんせき見事な庭苑ていえんの彼方で、すらと、鶴のような姿の人が立ってこなたを振向いた。髪に紫紐金鳳しじゅうきんぽう兜巾ときんをむすび、すそ長い素絹そけんの衣をちゃくし、どこか高士こうしの風がある。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)