“幾文”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いくもん75.0%
いくら25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
江戸演劇は既に通俗なる平民芸術にはあらで貴重なる骨董こっとうとなりし事あたかも丹絵売たんえうりが一枚幾文いくもんにて街頭にひさぎたる浮世絵の今や数百金にあたいすると異なる事なし。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうして裸になってお辞儀をしたあとは、確かに幾文いくもんか残ったが、彼はもう帽子を請け出そうとも思わず、あるだけのものは皆酒にして思い切りよく飲んでしまった。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)
着物はなし六百文の銭はさしが切れ、彼処此処あちらこちらへ散乱致して居りますのを拾い集めて漸く四百幾文いくら、五百に足りない銭を、これでも命の綱と思い、ずぶ濡れになって前橋の手前まで来ると
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)