幽界かくりよ)” の例文
我が神代の古伝説によっても、天津神系統の天孫民族は現界うつしよを掌り、国津神系統の先住民族は、幽界かくりよの事を掌ると信ぜられていた。
藤原四流の中で、一番美しい郎女が、今におき、耳面刀自と、其幽界かくりよの目には、見えるらしいのでおざりまする。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
父母の生みなして、死ぬれば、そのたま永く幽界かくりよおもむきおるを、人これを祭れば、来たりうくることと、ありのままに心得おりて、あながちにその上を穿鑿たずねでもあるべきものなり
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
き人に言問こととひもしつ幽界かくりよに通ふ夢路ゆめじはうれしくもあるか
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
藤原四流の中で、一番美しい郎女が、今におき耳面刀自と、其幽界かくりよの目には見えるらしいので御座りまする。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
後代の人々の考へに能はぬ事は、神が忽然幽界かくりよから物を人間の前に表す事である。播磨風土記逸文ににほつひめの命が、自分を祀つたらシルシを出さうと言うて