年恰好としかつかう)” の例文
「町内の人のやうな顏をして逃げたんだ。恐ろしく落着いた野郎だ。年恰好としかつかう、人相、着物などを見なかつたか」
同じ年恰好としかつかうの世話人と一緒にあの湯屋の二階の女をかたはらに終日碁を打つてゐたとは思へなかつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
父は番頭となし娘のお竹はお菊と相應さうおう年恰好としかつかうなれば腰元こしもとにして召仕めしつかひけるが此者子供の時より吉三郎とも心安こゝろやすくお菊と云號いひなづけのことも知り居けるにぞ吉三郎が臺所だいどころより來りけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)