平身低頭へいしんていとう)” の例文
歌舞伎かぶき劇場では、演劇をやめ、あの大きな舞台の上に、道具方が自作した貧弱な受信機を、支配人が平身低頭へいしんていとうして借用したのを持ち出した。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
廷臣ていしんひざはしれば平身低頭へいしんていとうゆめとなり、代言人だいげんにんゆびはしればたちま謝金しゃきんゆめとなり、美人びじんくちびるはしればたちま接吻キッスゆめとなる。
主人と知ると、恐れ入って、膝行頓首しっこうとんしゅかめの様に平太張りつゝすり寄ってびた。わるい事をして追かけられて逃げ廻るが、果ては平身低頭へいしんていとうして恐る/\すり寄って来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
「たった今平身低頭へいしんていとうしたじゃないか」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
『答えぬとは、無礼者。なぜに答えぬ。そちはこの脇差が欲しゅうないか』蘭丸つづいて平身低頭へいしんていとういたし『おそれながら、申上げます。御脇差は、欲しゅうござれど、私はお答えいたしませぬ』
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)