てい)” の例文
ここに苔しろき石燈はその数段をあらはし、全景のうへより見たるところ、おのづから一ていの絵画をひらくに似て、いともうるはし。
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
僕にはマチスの婦人肖像一枚が水際つて光を放つてる気がする外、ヷン・ドンゲンの「鳩」と「海」との二ていが奇抜な装飾画として興味を惹く。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
ある商人の書画をこのみてもてあそぶものありしが、その購入する所を聞くに、金岡かなおかが観音の像一てい代価千両なり。徽宗きそうの桃に鳩の絵わずかに長さ五、六寸に広さ六、七寸なる小幅が同じく千両なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
此処ここにある両ていの内の「バツカスの興宴きようえん」の超脱して居るのを観て初めてこの大画家が好きに成つた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)