帰著きちゃく)” の例文
それが結局はことごとく魂の苦悶くもんであり、あの世の音信であるということに帰著きちゃくするのは、単独に幼ない者だけの経験ではなかった証拠ではないか。
無求備於一人いちにんにそなわるをもとむるなかれ」といい、「及其使人也器之そのひとをつかうにおよびてやこれをきとす」というは即ちこれである。これを推し広めて言えば、『老子』の「治大国たいこくをおさむるは若烹小鮮しょうせんをにるごとし」という意に帰著きちゃくする。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)