師傅しふ)” の例文
彼らを歓迎するむねを述べてくれた老中牧野備後こそかつては皇帝の師傅しふであり現に最も皇帝の信任を受けつつある人と信じたという。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大王の幼時からの師傅しふたるナブ・アヘ・エリバでなかったら、恐らく、生きながらの皮剥かわはぎに処せられたであろう。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
張昭と周瑜のふたりは、どうか師傅しふの心をもって、孫権を教えてください。そのほかの諸臣も、心をあわせて、呉主を扶け、かならず国を失わぬように励ましてもれ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張昭はまことに賢人です。師傅しふの礼をとって、その言を貴ぶべきです。けれど、私は生来の駑鈍どどん、いかんせん故人の寄託きたくは重すぎます。ねがわくは、あなたの補佐として、私以上の者を
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)