差入さしいれ)” の例文
ぬすみ取んと彼曲者かのくせものは半四郎が寢たる夜着よぎわきより徐々そろ/\と腹のあたりへ手を差入さしいれければ後藤は目をさましはてきやつめが來りしぞと狸寢入たぬきねいりをしてひそかにそばの夜具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ずるずる黒繻子くろじゅすの解くるを取って棄て、引据ひきすえ、お沢の両手をもてひしおおう乱れたる胸に、岸破がばと手を差入さしいれ
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ただ仏蘭西の監獄で便利なのは差入さしいれの自由です。日本同様監獄の前に差入物屋があって、銭さえ出せばどんなウマイものでも、酒でも煙草でも買う事が出来ます。
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)