左角ひだりかど)” の例文
同一おなじ早饒舌はやしゃべりの中に、茶釜雨合羽ちゃがまあまがっぱと言うのがある。トあたかもこの溝の左角ひだりかどが、合羽屋かっぱや、は面白い。……まだこの時も、渋紙しぶかみ暖簾のれんかかった。
国貞えがく (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
彼は気を落著おちつけようとして眼を閉じ、雑念を拒止きょしして心を落著けて腰を下した。彼は一つのひらたい丸い黒い花が、黄橙おうとうしんをなして浮き出し左眼さがん左角ひだりかどから漂うて右に到って消え失せた。
幸福な家庭 (新字新仮名) / 魯迅(著)