左内さない)” の例文
水戸の安島帯刀あじまたてわき越前えちぜんの橋本左内さない、京都の頼鴨崖らいおうがい、長州の吉田松陰よしだしょういんなぞは、いずれも恨みをのんで倒れて行った人たちである。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
とぎをしていたのは格之助兄弟と家扶かふ六郎兵衛ろくろべえ用人ようにん左内さない、それに若侍たち四五人だった、女たちは次の間にいた。
日本婦道記:松の花 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
浪人小笠原金三郎、同じく駒越左内さない、医師奥野おくの俊良、これだけが半田屋九兵衛方に当分宿泊となった。主人はもう有頂天で、三人を福の神扱いにした歓待ぶり。
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
西郷南洲さいごうなんしゅうが始めて橋本左内さないに会うたとき、こんな柔しい男が何で国事を談ずるに足るだろうかと、心ひそかに軽蔑けいべつしたことを、後にいたって自白している。さもあったろうと思う。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
あそこに梅田雲浜うめだうんぴんがあり、橋本左内さないがあり、頼鴨崖らいおうがいがあり、藤田東湖ふじたとうこがあり、真木和泉まきいずみがあり、ここに岩瀬肥後いわせひごがあり、吉田松陰があり、高橋作左衛門さくざえもんがあり、土生玄磧はぶげんせきがあり、渡辺崋山わたなべかざんがあり
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)