工廠こうしやう)” の例文
僕はいつもすすの降る工廠こうしやうの裏を歩いてゐた。どんより曇つた工廠の空には虹が一すぢ消えかかつてゐた。僕はかかともたげるやうにし、ちよつとその虹へ鼻をやつて見た。
横須賀小景 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
上海シヤンハイ電報にると、地震は九月一日の早朝に起り、東京横浜の住民は十万人死んだ。東京の砲兵工廠こうしやうは空中に舞上り、数千の職工が死んだ。熱海・伊東の町は全くなくなつた。
日本大地震 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
工廠こうしやう」いくむねどよみ
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)