嶺道みねみち)” の例文
ここから南北の嶺道みねみちは、嶺ながらおおむね平らだった。余吾西岸の足海たるみ、茂山のあたりまで、ほとんどゆるい傾斜をもった降りである。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてすでに、あすあさってには、孟州に入ろうかという十嶺道みねみちで、ついその酒の誘惑から、危ないわなにかかッてしまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
の声が各所に聞え、みだれはしる馬、士気なき旌旗せいき、草ぼこり蹴だてて退く荷駄、歩卒などの崩れが、嶺道みねみちを、西へ、約二十町も、急退していた。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
嶺道みねみちをふさいでいた四、五十人の手下と、その先頭の赤髪鬼を見て、宋江がこう叫ぶと。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、笹子ささこ嶺道みねみちを切りふさぎ、勝頼らの来るのを拒んだ。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)