山脇やまわき)” の例文
それだけなら何も別に珍しいという事はないんですけれども、その演説をしている人が……だれだとお思いになって……山脇やまわきさんですの
或る女:1(前編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それは数月前すうげつぜんに自動車にかれて惨死ざんしした山脇やまわきと云う書生の顔であった。書生の顔は正面まともに主翁の眼に映った。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「兄さん、山脇やまわきの姉さんがチト御遊びに被入いらっしゃいッて——真実ほんとうに兄さんは遠慮深い人だって」
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
山脇やまわきと改ため以前の如く外科げくわを業とすれども南都とちがひ新規しんきの場所故何事も思はしからず漸々にほそけふりを立居たるに或日家内の者愛宕あたごへ參りける留宅るす盜人ぬすびと押入おしいり賣殘うりのこりし少しの道具を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)