山媽々やまあば)” の例文
ざる一枚散財さっせい、二銭にひゃくか、三銭さんびゃくだ、目の粗いのでよかんべい。)……いきなり、人混みと、ぬかるみを、こね分けて、草鞋わらじ飛出とびだして、(さあさあ山媽々やまあばが抱いて来てやったぞ)
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いが餅、饅頭の大づつみを、山媽々やまあばの籠の如くに抱いて戻ると、来合わせた電車——これが人の瀬の汐時で、波を揉合もみあっていますのに、晩飯前で腹はすく、寒し……大急ぎで乗ったのです。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)