山刀なた)” の例文
けらを着た百姓ひゃくしょうたちが、山刀なた三本鍬さんぼんぐわ唐鍬とうぐわや、すべて山と野原の武器をかたくからだにしばりつけて、東のかどばった燧石ひうちいしの山をえて、のっしのっしと
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
と一人が声をひそめて、仲間のものを見返る。仲間のものは、各自めいめいに竹槍と、山刀なたとを持っていた。今、物を言った一人は、本籠もとごめの二連発銃を持っていた。
悪魔 (新字新仮名) / 小川未明(著)
猟士は山刀なたを抜いて白樺の幹の皮を上に一刀、下に一刀きずつけ、右と左の両脇を截ち割ってグイとくと、前垂懸け大の長方形にげる、頸の背骨に当るところを彎形わんがたに切り抜いて
梓川の上流 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
みんなは、今年も野原を起して、畠をひろげてゐましたので、その朝も仕事に出ようとして農具をさがしますと、どこのうちにも山刀なた三本鍬さんぼんぐは唐鍬たうぐはも一つもありませんでした。
狼森と笊森、盗森 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
みんなは、今年も野原を起して、畠をひろげていましたので、その朝も仕事に出ようとして農具をさがしますと、どこのうちにも山刀なた三本鍬さんぼんぐわ唐鍬とうぐわも一つもありませんでした。
狼森と笊森、盗森 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
山刀なた三本鍬さんぼんぐは唐鍬たうぐはや、すべて山と野原の武器を堅くからだにしばりつけて、東のかどばつた燧石ひうちいしの山を越えて、のつしのつしと、この森にかこまれた小さな野原にやつて来ました。
狼森と笊森、盗森 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)