屋号やごう)” の例文
旧字:屋號
陽吉の行きつけの風呂は、ちゃんと向井湯むかいゆという屋号やごうがあった。が、近頃大流行だいりゅうこうの電気風呂を取りつけてあるところから、一般に電気風呂とばれていた。
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
故人の弟達や縁者のこころざしだと云って、代々木の酒屋の屋号やごうのついた一升徳利が四本持ち出された。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しばしば図の如く定紋や屋号やごうを入れ、この部分のみは好んで真鍮を用いる。大きなものは左右に取手とって、小形のものは上に一つの取手をつける。そうして全体に厚い布の被いが用いられた。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)