屁理屈へりくつ)” の例文
ジルノルマン氏は特に、結婚式のことについて屁理屈へりくつを並べていた。彼の賛辞のうちには十八世紀の事柄がやたらにはいってきた。
かれこれ弁駁べんばくするまではあらざれども、学者の方はいやに屁理屈へりくつを並べ立て、もっともそうに見せかけるから、そのままに捨て置くことはできませぬ。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
戦争哲学! 他日受ける打撃を考えてるなぐられた驢馬ろばどもの遊びと同じだ……。屁理屈へりくつを並べたり哲理をこねたりすることは、僕の仕事じゃありません。
あらゆる生物は誕生と同時に死に向って行進する、などという安っぽい屁理屈へりくつはごめんをこうむる。塩山家では結婚したとたんにおるいさんが采配をとった。
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「だのに、なんだって貴様はそんな屁理屈へりくつがこねられるのだ、もし……」
去年までは僕もあなたと同じように、あなたのその屁理屈へりくつでもって、わざと自分の目をふさいで、この世の現実を見まい見まいとしていたものです、——そして、それでいいのだと思っていました。
「つべこべ長談義申さるるなッ、われら、そのような屁理屈へりくつ聞く耳持たぬわッ。たとえ陰陽の摂理とやらがどうであろうと、先に挑んだはそちらの馬じゃ。ならば、乗り手に罪がある筈。——それともうぬが対手になろうとの所存かッ」
すっかりいい気持ちに酔ってるグランテールは、一隅いちぐうに陣取ってしゃべり立てていた。彼は屁理屈へりくつをこね回して叫んでいた。
そのうえにまた、屁理屈へりくつの武器蔵から古いいくさ道具まで取り出した。
譏刺きし、客気、悪謔あくぎゃく、活気と呼ばるるフランス気質、ユーモアと呼ばるるイギリス気質、善趣味と悪趣味、道理と屁理屈へりくつ、対話のあらゆる狂気火花、それがへやの四方八方に一時に起こり乱れ合って