尼僧にそう)” の例文
ヴィテルの尼僧にそう病院に収容されることになって、マタ・アリもパリーから行っているが、それは、恋半分、使命半分の動機からだった。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
「やあ、お見それした、おゆるしあれ。が、東からこの山中路やまなかじをお通りなら、お若い尼僧にそうめしいの子連れの旅人を、どこかで、お見かけなさらなかったか」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この人は老尼僧にそうめいむこさんで私と一緒に大臣の宅に住居して居たのでごく心安い人でありますから、私はそこへたずねて行ったところが大変悦びました。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
犬芥いぬがらし苦痛くつうにほほゑむ尼僧にそう、隱れたる殉教者じゆんけうしやの光。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
伏目がちなる尼僧にそう
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
つい先頃までは、松琴尼しょうきんにもとで、勉強しておりました。乳母は、わたくしを、どうしてもあまにしようとするのです。……けれど私は、尼僧にそうになるのはいやです。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)