小閑しょうかん)” の例文
小閑しょうかんを楽しむというのは、まだ閑のある人のことである。戦国に生れ、ことし三十二、しかもなお逆境の小君主、家康に閑日などはない。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、ようやく、その小閑しょうかんを得た日であった。彼は、息女むすめたちのつぼねへ来て、京都の土産物の数々をひらき、息女たちの喜びをながめて、彼も他愛ない半日をすごしていた。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春から秋へかけて、秀吉は文字どおり、南船北馬の征事を果たし、九月、大坂城へ帰府してからは、久しぶりに、内治外政を——また彼らしき小閑しょうかん凡生活ぼんせいかつにもひたったであろう。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)