“小紐”の読み方と例文
読み方割合
こひも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
主翁ていしゅ小紐こひもを持ったなりにその小石を受とって、また伯爵の方へ往って、枕頭へそっと置いて逃げるように帰って来た。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
書生は隻手かたてふところに入れて懐の中から何か出した。それは黒いたすきのように輪にした小紐こひもであった。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
伯爵は大きな呼吸いきをついていた。主翁は握りしめていた小紐こひもの輪を両手にひろげて、背の高い伯爵のうしろから投げかけた。紐はふわと伯爵の体にかかった。と、同時に伯爵の体は仰向あおむけに倒れた。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)