小笠原流おがさわらりゅう)” の例文
馥郁ふくいくとして沈香入りの練り炭が小笠原流おがさわらりゅうにほどよくいけられ、今は、ただもうそのお来客と城主伊豆守のご入来を待つばかりでした。
これが恐ろしく小笠原流おがさわらりゅうで——それで何をするのかと思うと、枕頭まくらもと蒔絵まきえ煙草盆たばこぼんを置きに来たに過ぎなかった。
丹那山の怪 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
今にも両手をついて、目のふちをポッと赤くして、小笠原流おがさわらりゅうのご挨拶あいさつでも始めそうに見えるのだ。
恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そらサヴェジ・チーが出たとやかすのだが、主人一人に対してすら痛みっている上へ、妙齢の女性にょしょうが学校で覚え立ての小笠原流おがさわらりゅうで、おつに気取った手つきをして茶碗を突きつけたのだから
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)