小枝さえ)” の例文
梵妻だいこくの姪で名は小枝さえという。そう聞けばやはり違うかと思うものの、見れば見るほど瓜ふたつである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土堤どての枯草、こごりつき白くきびしく、両側もろがは立枯並木たちがれなみき、いよいよに白くさびしく、雪空の薄墨色にこまごまと梢明こずゑあかり、下空したぞら小枝さえのほそ枝立ちつづき、見れども飽かず、入り交り網目して透く。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
もちろん、去年、この寺にしばらくいて、後に、藤井家へ小間使として入った小枝さえという女性は、寺の縁故でも何でもない。銀河の夜から見えなくなった魚松うおまつのむすめ、あのおつぎだったのである。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
枯すすき、土堤どての枯草、凍りつき白くきびしく、両側もろがは立枯並木たちがれなみきいよいよに白くさびしく、雪空の薄墨色にこまごまと梢明こずゑあかり、下空したぞら小枝さえのほそ枝立ちつづき見れども飽かず、入り交り網目して透く。
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かろがろと雀飛びつき小枝さえり揺りもやまねばしたのぞ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
しづけさや雀飛び去る小枝さえのゆれ揺れてとまらねまた一羽来つ
雀の卵 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)