小机こづくえ)” の例文
出家は、上になんにもない、小机こづくえの前に坐って、火入ひいればかり、煙草たばこなしに、灰のくすぼったのを押出おしだして、自分も一膝ひとひざ、こなたへ進め
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
係官の前の小机こづくえの上に、線路図や、電車内の見取図をひろげて、彼が乗客の注意で、殺人の現場にかけつけてのちに見た事柄や、乗客から聞いたそれ以前の話など
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)
わたくし日頃ひごろ愛用あいよう小机こづくえまでがすでにキチンとそろえられてありました。
とこを背に、こっちを向いて坐っているのは、婦人だった。暗くてよくは判らないが若くはない。その隣には、懐中電燈のった小机こづくえを前にして頭の禿げあがった老人がいた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
と老人は手をあげて二人に合図をすると、元の小机こづくえの前にかえっていった。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)