小卓こづくえ)” の例文
「だってあなた、本当にしんから健康におなりなすったのではないのですからね」と、微笑ほほえみながら云った。男が持って来た本や書物かきものの積み上げてある小卓こづくえの上に日影が躍っている。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)
下部しもべいそがはしくしょくをみぎひだりに立つれば、メエルハイムは「いづれの譜をかまゐらすべき、」と楽器のかたはらなる小卓こづくえにあゆみ寄らむとせしに、イイダ姫「否、譜なくても」とて
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
二三分立つと、二人は這入はいって戸口の戸を締めた。窓の戸は開けてある。寝台ねだいそばに据えてある小卓こづくえの上には、常の花瓶かびんに赤い薔薇ばらの花がけてある。そのにおいが部屋に満ちている。
みれん (新字新仮名) / アルツール・シュニッツレル(著)