寝入ねいり)” の例文
旧字:寢入
さては我をたすくるならんと心大におちつき、のちは熊とせなかをならべてふししが宿の事をのみおもひて眠気ねむけもつかず、おもひ/\てのちはいつか寝入ねいりたり。
大急で帰宅かえって土間にどしりと俵を下した音に、泣き寝入ねいりに寝入っていたお源は眼を覚したが声をださなかった。そして今のは何の響とも気に留めなかった。
竹の木戸 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
(石を切って、ほくちをのぞませ、煙管きせる横銜よこぐわえに煙草たばこを、すぱすぱ)気苦労の挙句は休め、安らかに一寝入ねいりさっせえ。そのうちに、もそっと、その上にもすずしい目にして進ぜよう。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)