寛典かんてん)” の例文
ムロの鴛鴦夫婦は、この寛典かんてんの中に其理想的享楽生活きょうらくせいかつを楽しんで居るのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
かれは、秀吉のおはなしゅうとして、大坂表へ移住した。思うに、もしこれが、信長の場合であったならば、こんな寛典かんてんにめぐまれるはずもなし、かれの首は、二つあっても足りなかったであろう。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
寛典かんてんに流れた格律に目ざましをくれたつもりだったが、朝廷ではむやみに激怒して、時政を鎌倉へ追いかえすのどうのというさわぎになったような世だから、死刑そのものがめずらしいばかりでなく
無月物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
一等いっとうげんじてこれを放免ほうめんしたるは文明の寛典かんてんというべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)