寂色さびいろ)” の例文
幾百年と経った大木のくすのきは樹皮は禿げ、枝は裂けていい寂色さびいろに古びている。そのこずえ群青ぐんじょうからすがはたはたと動かしてとまる。かおォかおォである。古風な白帝城。
木曾川 (新字新仮名) / 北原白秋(著)
まったく校倉式の丸太組の露西亜人の家々は簡素で、また幽雅で、しかもいい寂色さびいろに古びていた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)