家祖かそ)” の例文
大岡家の紋は、稲穂いなほの輪だった。家祖かそが、稲荷の信仰者で、それにちなんだものという。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
脚長あしなが香炉台こうろだいのうえに、床間掛とこのまがけの横物が見える。尊氏は紙燭を手に立って顔をよせた。その一、二ぎょうでもすぐわからずにはいられない物である。家祖かそ家時からの鑁阿寺ばんなじ置文おきぶみだった。
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)