室生寺むろうじ)” の例文
そこで僕はそれを二つの「方」に分けて見ました。一つの「方」には、まだ往ったことのない室生寺むろうじ聖林寺しょうりんじ、それから浄瑠璃寺じょうるりじなどがあります。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
八重桜と紅葉もみじにしきと、はりぼての鹿とお土産みやげと、法隆寺の壁画、室生寺むろうじ郡山こおりやまの城と金魚、三輪明神みわみょうじん恋飛脚大和往来こいびきゃくやまとおうらい長谷寺はせでら牡丹ぼたんときのめでんがく及びだるま
残っているのはただ室生寺むろうじだけであった。だからわたくしが名前さえ知らない寺々のことも詳しく知っていた。——その代わり大和からは一歩も踏み出さないことにきめているんです。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
二上山を背景に、中腹に立つ当麻寺たいまでらの東西両塔の典雅な有様、あるいは室生寺むろうじの大杉の間に立つ五重塔の華麗な姿も忘れられない。しかし私は結局、薬師寺の東塔に最も感心するのである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)