宣命せんみょう)” の例文
更衣に三位さんみを贈られたのである。勅使がその宣命せんみょうを読んだ時ほど未亡人にとって悲しいことはなかった。三位は女御にょごに相当する位階である。
源氏物語:01 桐壺 (新字新仮名) / 紫式部(著)
自国の言葉の使用は宣命せんみょうや和歌に限られていた。ということは、それが新しい思想や制度に対して役立たぬものと認められていた証拠である。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
そして二十日には、京で法皇の宣命せんみょうで四の宮が閑院殿かんいんどので即位した。摂政には近衛がそのままなり、蔵人頭や蔵人などの任命があって、人々は退出した。
ところが漢字の使用にれてくると、『万葉集』や詔のうちの一体である宣命せんみょうやなどに見られるように、早くも漢字を一種の表音記号に用いて、日本語をかなり精密に記載しうるようになってきた。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)