宝永ほうえい)” の例文
旧字:寶永
医を今大路いまおおじ侍従道三どうさん玄淵げんえんに学び、元禄十七年三月十二日に江戸で津軽越中守えっちゅうのかみ信政のぶまさに召し抱えられて、擬作金ぎさくきん三枚十人扶持を受けた。元禄十七年は宝永ほうえいと改元せられた年である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
別当は真言宗しんごんしゅうにして、金生山きんしょうざん龍王密院りゅうおうみついんと号し、宝永ほうえい八年四月、海誉法印かいよほういん霊夢れいむに由り……
悪因縁の怨 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
……江戸長唄なる称呼が、判然と芝居番附に掲げられたのは、宝永ほうえい元年のことである
三月になって年号が宝永ほうえいと改まった。ちょうど季節が春であったし、この改元は新しい希望を約束するようで、いっとき世間が明るくなったように見えた。しかしなに一つよくはならなかった。
柳橋物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
貞享じょうきょう元禄げんろく宝永ほうえい正徳しょうとく……」
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)